北ア常念山脈(長野) 常念岳(2857m)、大天井岳(2922.1m) 2018年8月4〜5日  カウント:画像読み出し不能

所要時間

8/04
3:22 駐車余地−−3:31 林道終点 3:34−−3:46 山の神−−4:28 大滝−−5:17 笠原沢−−6:02 最終水場 6:09−−6:47 常念小屋 7:19−−9:29 大天井荘−−9:37 大天井岳 13:33−−15:11 常念小屋

8/05
3:41 常念小屋−−4:44 常念岳 5:29−−6:14 常念小屋 6:46−−7:06 最終水場 7:09−−7:30 笠原沢−−7:53 大滝−−8:19 林道終点−−8:25 駐車余地

場所長野県松本市/安曇野市/大町市
年月日2018年8月4〜5日 1泊2日幕営
天候8/4:晴後曇  8/5:晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場一ノ沢林道途中に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望どの山頂も大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
1日目(一ノ沢→常念小屋→大天井岳→常念小屋)
2日目(常念小屋→常念岳→常念小屋→一ノ沢)
コメント連日の異常猛暑の中、避暑のために一ノ沢から大天井岳、常念岳へ。私の記憶にある限り、通常の週末としては過去最高の登山者数だった。天気は良かったが空気の透明度はそこそこの状態で南アや八ヶ岳は見えなかった。


地図クリックで等倍表示
1日目のルート断面図(一ノ沢→常念小屋→大天井岳→常念小屋)
2日目のルート断面図(常念小屋→常念岳→常念小屋→一ノ沢)


暑さを避けて3時半前に出発 林道終点登山相談所で登山届提出
大滝通過は4時半。まだ暗い 笠原沢
胸突き八丁 最終水場で3リットル補給。これで2日間持った
常念乗越。快晴で暑い! まだ7時前なので前泊者のテントあり
早くも設営。大天井岳へ向かう 夕方には賑わうだろう
常念岳を見上げる 横通岳を見上げる
テント場を見下ろす 稜線は程よい風が吹き抜ける
涸沢 横通岳北側鞍部から登り返し
東天井岳南鞍部を越える いつ見ても赤岳周辺は壮絶な姿
石垣 尖っているのは中天井岳
奥のピークが大天井岳 大天荘。結構賑わっている
9時半なのでまだテントは1張だけ 大天井岳山頂
大天井岳から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
大天井岳から見た槍穂、裏銀座(クリックで拡大)
大天井岳から見た硫黄尾根(クリックで拡大)
大天井岳から見た奥穂周辺
大天井岳から見た常念山脈北部
大天井岳から見た常念山脈南部
大天井岳から見た槍ヶ岳 大天井岳から見た燕山荘
大天井岳から見た三俣山荘 大天井岳から見た牛首山
曇ってきたのでテントに戻ることに 標高2700m近くでも20℃もあった
常念小屋に向かう登山者多数 常念乗越へと大きく下る
テント場は賑わっている 常念小屋も繁盛
常念岳山頂で日の出を迎えうために4時前に出発 登山者のライトの列
月が明かるい 渋滞中。これほど人が多い朝は初めて
傾斜が緩むとばらける 日の出前の常念岳山頂。風が強く寒い
常念岳から見た南〜西〜北西の展望(クリックで拡大)
常念岳から見た北西〜北〜北東の展望(クリックで拡大)
常念岳から見た夜明け後の槍ヶ岳〜穂高(クリックで拡大)
常念岳から見た東側。雲海と霞で志賀高原、浅間山、八ヶ岳、南アルプスは見えず
常念岳から見た槍ヶ岳 常念岳から見た鹿島槍ヶ岳
常念岳から見た北穂高岳 下山も行列
テント撤収完了 撤収後のテント場の様子
常念乗越から下山開始。槍ヶ岳とおさらば 最終水場で水浴び
登山案内所に人がいるのを今年初めて見た 最も林道終点に近い駐車場所は満杯
次に近い駐車場所を確保できた


 台風直撃の先週末と違って今週末は好天の予想。またもや猛暑が戻ってきたし涼むためにテントを担いでアルプス級に行くしかない。行先は久しぶりに常念岳としたが、今回は日中の雷雨の心配はほぼ無く、日陰の無いテント場でテントの中に潜り込めるのはおそらく夕方になりそうなので、長時間暇を持て余すのは確実。久しぶりに大天井岳まで足を延ばすことにした。大天荘で幕営も考えたが2日目の下山時刻がやや遅くなること、水を担ぎ上げるのは体力的に大いに無駄になることから、常念小屋で幕営して初日に大天井岳を往復する計画とした。2日目朝に常念岳に登って日の出を見て下山しても午前に自宅に帰れるだろう。

 金曜夜の天気予報では日中は北よりの風がやや強いようだが、ざっと天気図を見た感じではそれほどひどい風になるとも思えず夕方には収まる予報になっていたのでテントでも大丈夫だろう。それよりも上空の気温がかなり高いのが気がかり。標高3000mでも13℃とのことでこれに森林限界を超えて日影が無いことを考えると日中の行動中はかなりの暑さになりそうで、その対策として傘を持つことにした。ただし風が強いと使えないので半分博打となってしまうが、傘で日影を作れば13℃なら体を動かさないと寒いくらいだろう。
 
 今回は水が豊富な一ノ沢ルートを往復する。これは最終水場(標高約2200m)まで水を持たなくていいので軽量化できること、最終水場で水を汲めば常念小屋で水を買わなくて済むのがメリットだ。

 金曜夜の早い時刻に一ノ沢林道に入り高度を上げると気温が低下、クソ暑かった下界が嘘のようで車のエアコンとはおさらば。正規の駐車場を通過して林道終点に最も近い駐車スペース(4台程度駐車可能)へ向かったが、今回は初めて満杯状態だった。その手前の駐車余地にも車があり、金曜夜でこれだけ車が多かったのは初めてだ。平日から相当な数の登山者が入っているようだ。台風の影響で先週は山に入らなかった登山者が多かったからだろうか。夜中には何台も車が上がってきた。

 予想される暑さを避けるために3時半に出発。この時刻は寒いくらいの涼しさ。林道終点の登山案内所で登山届を投函して真っ暗な登山道に入る。何度も歩いた道なのでライトの光でも問題なく歩ける。周囲には登山者のライトの光は見えなかったが、支流を横断した先の石の上には濡れた足跡があり、乾燥具合からして10分程度の時間差らしい。しかし最後まで追いつくことはなかったので、おそらく日帰りで大天井岳だろうか。

 日の出の時刻が徐々に遅くなっているため、今の季節では大滝ベンチでもまだ暗い。それに沢沿いの樹林帯を歩くのでさらに明るくなるのが遅れるため、ライト無しで歩けるようになったのは4時45分くらいだった。笠原沢を通過するころにはすっかり明るくなり頭上は真っ青な空。

 一ノ沢本流を渡って右岸に登山道が移ればしばらくは沢沿いを上がっていく。この辺まで上がると下ってくるハイカーとすれ違うようになる。左岸に渡って胸突き八丁になると日差しにジリジリと焼かれるが、まだ早朝で気温はさほど上がっていないのでマシな方だろう。場所によってはまだ日陰で涼しい。最終水場で約3リットルの水を補給、これで明日の分まで賄えるはずだ。

 樹林帯の急斜面をジグザグに上がって快晴の常念乗越に到着。目の前には槍ヶ岳。あちらの稜線もすっきりと晴れている。まだ7時前なのでテント場には前泊者もテントがいくつも残っている中で、テント場最下段に設営。ネットの天気予報と違って風は弱くてテント設営に全く支障が無かった。

 昼飯と水、一部の防寒具を持って大天井岳に向かう。もちろん傘も忘れない。この段階で日焼け止めを忘れたことが発覚。先週の台風の時に車の中に置いていったのを忘れていたのであった。今回は麦わら帽子と傘で日焼けを防ぐしかない。

 横通岳までいきなりの急登。樹林帯を抜けて森林限界を突破すれば再び大展望。時々西寄りの風が吹き抜けて心地いいが日差しは強い。この風速なら傘が使えるので片手に傘を持ち片手に扇を持って扇ぎながら歩いた。さすがにこの姿はすれ違う登山者の注目を集めてしまったが、周囲の誰よりも涼しく快適に歩けたのは間違いない。大天井岳方面から下ってくる登山者はそこそこの人数がいた。当然ながらこの時間だと少なくとも金曜日から山に入っていた人達だ。南側を見るが空気の透明度がイマイチで八ヶ岳も南アルプスも見えなかった。

 横通岳を巻いて東天井岳との鞍部に達すると、立ったハイマツの海を切り開いた狭い登山道を登っていく。ハイマツの高さは背丈近くあるので風が通らず、南斜面なので暑い! 雨や朝露で濡れていたら雨具が必要な区間だが今は完全に乾いている。

 東天井岳南鞍部を越えると西側の展望が開ける。鞍部からは大きく登り返すがこの付近は風が吹いて体感温度はそれほど上がらずに済んだ。中天井岳の麓に達すれば大天荘は近く、残りの標高差も僅かだ。まだ時間帯が早いのでテント場のテントは1張のみ。今日入山した人がここまでやってくるのは午後だろうし、一般的な登山者の足だとそもそも初日にここまでやってくる人自体が少ないはずだ。

 休憩している人で賑わう大天荘の横から大天井岳へ。山頂には数人の登山者。もう日は高いがガスが上がることは無く大展望が広がる。ここまで来ると槍ヶ岳がでかい。北鎌尾根の右側には硫黄尾根。赤岳は登らなくては。しかしここから見ても赤岳山頂付近のガレの程度は凄すぎる。よくもDJF氏は南側から登れたもんだと感心する。裏銀座の奥には立山、剣岳。その右には針ノ木岳と蓮華岳は見えるが、鹿島槍が霞んで見えてその奥にあるはずの白馬岳は見えなかった。妙高火打など北信の山も霞んで見えなかった。

 日中でもガスが上がってくることはなく、テント場に戻っても暑くて中に入れないのは確実なのでしばらく山頂でのんびり。入れ代わり立ち代わり次から次へと登山者がやってくる人気の場所だ。皆さん、山頂標識と槍ヶ岳をバックに記念写真撮影。槍の近さを考えればこうなるのは当然の成り行きだろう。稜線に雲がかかり始めるまで約4時間、山頂に滞在した。その頃になると南に見えている常念岳上空付近は黒い雲が出てきて天候が怪しくなってきたので戻ることにした。

 ガスに覆われ始めた大天荘のテント場は10張くらいに増えていたがまだガラガラ状態。稜線を行きかう登山者の数はまだまだ多く、私もそれに混じって常念小屋に向かう。太陽が陰っているのに気温は20℃もあり、風が無ければ体を動かすと暑いくらいで、下界では異常高温だが山の上も高温だ。

 テント場に戻るとテントの数はかなり増えていたが、まだ隙間は残っていた。私のテントの隣には別のテントが立っていた。まあ、この混雑状況だとこうなるだろう。このまま日が陰ってくれると思ったら雲が切れてテントの中はサウナ状態となり、傘を取り出して日陰を作る羽目になった。結局、雲は出たものの雨が降ることは無く、夕方になると雲は徐々に消えていった。ラジオによると諏訪地域で大雨警報が出ており雷雨があったようなので、もしかしたら八ヶ岳は降られたかもしれない。気温は高いままで夜中でも+10℃もあり寝袋に潜り込むと暑いくらいだった。防寒装備を減らして正解だった。

 翌朝は常念岳山頂で日の出を迎えるべく朝飯を食って3時40分過ぎに出発。今の日の出は4時45分くらいなので山頂まで1時間と見込んでの計算だ。山頂への登山道にはライトの列ができていた。頭上には星と月。槍ヶ岳や穂高の稜線は月明りでもぼんやりとしかみえておらず、どうやら雲がかかっているようだ。西寄りの風がやや強いのが雲の原因かもしれないが、早朝だけで日が上がれば風が止んで稜線の雲が取れてくるのが夏山ではよくあるパターンなので、時間経過と共に展望が良くなるかもしれない。テント場からは常念岳山頂は見えないが、星の見え方からして常念岳には雲はかかっていないようだ。あとは遠望が利いて南アルプスまで見えればいいのだが。

 これまで何度も日の出前の常念岳に登っているが、今回はこれまでの中で最高の混雑具合だった。登山者の渋滞の列で何度も立ち止まったのは今回が初めてだ。お盆休み前の普通の週末のはずだが、先週は台風の襲来で山に登れなかった人が今週に予定をスライドさせての混雑なのかもしれない。

 傾斜が緩むと登山道の幅が広がることもあって渋滞が解消し快調に進む。ここまでも西寄りの風が比較的風が強かったがさらに強くなり体感温度が下がる。ただし行動に支障が出るほどではない。山頂に到着したら防寒装備を着こまないと寒さに耐えられないだろう。これでも気温+10℃あるので高い方だが、体感的には手袋や毛糸の帽子が必要なレベルだった。

 最後の急登をこなせば賑わう常念岳山頂。東の空は低い雲がかかっているのでまだ日は出てこない。その雲に隠れて東側の山々は全く見えず、志賀高原の山も浅間山も見えなかった。八ヶ岳と南アルプスも同じく見えない。風のわりに空気の透明度はあまり良くなかった。穂高から槍ヶ岳は稜線に雲がかかっている。北側は裏銀座の稜線も立山も雲がかかっていた。後立山は蓮華岳のみ良く見えるが他に見えるのは霞んだ鹿島槍のみ。

 山頂は記念撮影の列ができるほど賑わっていた。ただし風が強く寒いためほとんどの登山者は短時間しか滞在しなかった。蝶ヶ岳へ縦走する人もいるし、私と同じく常念乗越へ戻る登山者も多い。日の出後もしばらく滞在して穂高にかかる雲が切れないか待っていたが、予想通り徐々に雲が薄くなって、最後はすっきりと姿を見せてくれた。これで満足して下山開始。下山も登山者の渋滞の列でかなり時間がかかった。

 6時過ぎのテント場のテント数は当然ながらかなり減少。今回はテントが夜露で盛大に濡れて内部の結露もあって虫干しが必要だが、気温が低い山の上で乾かすよりも猛暑の下界でやった方が遥かに短時間で乾燥するために帰ってから行うことにして、今は濡れたまま撤収。朝から日差しは強く今日も暑くなりそうだ。

 賑わう常念乗越を後に一ノ沢へ下山開始。今日は日曜なのでたくさんの登山者が下山中。もう登ってくる登山者の姿もあったが、下る人と比較すれば圧倒的に少ない。最終水場に隣接する一ノ沢本流で軽く水浴び。濡れタオルを洗濯し、たっぷりと水を含ませて首に巻く。冬なら首に巻くのはマフラーでかなり効果的な防寒対策だが、これは頸動脈は皮膚に近い場所を通っていて外に熱が逃げやすいからだ。夏場はこれを冷却に利用する。濡れタオルで頸動脈を冷却すると効率的に体温を逃がせるのだ。もちろん、かいた汗を拭うのにも使える。

 一ノ沢沿いの開けた登山道は日差しが暑い! 笠原沢を渡れば樹林帯が続くようになって日影が多くなり涼しくなるが、標高が落ちてくると気温が上がるのが肌で感じられるようになり汗が吹き出し、濡れタオルで顔や腕を頻繁に拭う。気温はまだ20℃に達しないが、私にとっては体を動かすには高すぎる気温だ。

 林道に出る前の最後の沢で水浴びしようかと思ったら水が枯れていた! 今年は暑いし雨が少ない影響だろうか。残念。林道終点の登山指導所には今年初めて人が入っているのを見た。駐車している車は無くバイク(スーパーカブ)だけだったので、指導員は地元の人らしい。林道の日陰を選んで下っていき、最初の駐車スペースは昨日と変わらず満杯のままで、私の車がある次の駐車場も満杯状態で、私の隣の長野ナンバーの車はそのままだった。

 まだ午前の早い時間帯なので着替えている間に下っていった登山者は1名のみで、乗客を乗せて上がっていったタクシーが数台。しかし、この後は下ってくる登山者がたくさんやってくるだろう。

 

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